【 現代は情報社会 】と言われて殊更異を唱える方は少ないと思います。
ウィキペディアによれば
情報社会とは、情報が諸資源と同等の価値を有し、それらを中心として機能する社会のこと
と有ります。
一昔前、経営資源はヒト、モノ、カネの3Mと言われましたが、今ではこれに「情報」が加わることが既に常識のように言われます。
さて、それほど現代社会において重要な言葉となっている「情報」という言葉の語源、気になりませんか。
2つの漢字「情(こころ、まこと、なさけ)」と「報(むくいる、しらせる)」を組み合わせた成り立ちなど、妙に気になって調べてみました。
すると「情報」という言葉の使用例は、明治時代にフランス軍の軍事マニュアルを訳した『野外演習軌典第一版』の中に出てくるのが最初で、フランス語のrenseignementに「情報」と訳語を付けた酒井忠恕少佐という方の使用が最初のようです。
文献によれば【酒井氏は書籍の中で、情報に意訳を付けており、これらの添え書きから、情報を「敵情のようす、または知らせ」という意味で用いていることがわかる。
したがって、情報は「情状の報告、または報知』を短縮したものと解釈することができる。】(参考論文 「明治期における情報と状報」小野 厚夫)・・・敵情報告から「情報」
・・・なるほど。
これに対しドイツ語のNachrichtの訳語に「情報」を用いたのは森鴎外という話は結構有名なのだそうですが、こちらも軍事用の書籍を日本語に訳したときに使用していて、「情報」という言葉が、そもそもは軍事用語だったというところは興味深く感じます。
さて「敵情報告」または「情状報知」の略語として「情報」が生まれたのは明治時代ですが、それから100年以上過ぎた今の日本人も略語好きは変わらないようです。
若者言葉でわかるのはガラケーくらいかな?仕事上の用語でも労働基準監督署を労基、厚生年金保険は厚生年金や厚年、健康保険は健保・・・そのうち「健保の語源調べたらって健康保険のことだったよ」なんて話が出てくるかもしれません。