かつての政府管掌健康保険や厚生年金などの社会保険の業務は、社会保険庁に代って今は日本年金機構および協会健保が引き受けています。従来の役所に代り民間の事業体が業務を運営しているのですが、これまで役所の行っていた業務を請け負っているために、手続き手順などは、想像以上の厳格さが求められているようで、このことについて異論はありません。
しかし、最近、『問題だなぁ』と思うのは健康保険証の交付に要する時間が非常に長くなっていることです。具体的には健康保険証到着まで最低でも2週間程度、以前は1週間程度でしたから約2倍の時間が掛かっています。その原因を尋ねるとコスト削減(主に人件費の削減のようです)のために様々な場面で業務委託(外注)を多用しているためとの回答がありました。
一連の処理の流れやその全容を知らぬままに意見を述べるのは僭越かもしれませんが、社会保険制度において【被保険者の利便】は何より優先されるべき事項のひとつではないでしょうか。保険証の到着に時間が掛かるという大問題について改善を求めても、何ともならないとか問題と思わないような回答しか返ってこない姿勢に問題があるように思うのは私だけでしょうか。民間移行したメリットはここには全く見られないように思います。
最近、目にしたり耳にすることが少なくなった気がしているのが、ISO【国際標準化機構、International Organization for Standardization、略称ISO(アイソ、イソ、アイエスオー))】という言葉。
一時は多くの企業でISO9001取得企業だとか環境のISO14000取得に着手という話に触れることが今よりも多かった気がしますがいかがでしょう。
ISOの取得については、『必要書類が多すぎて仕事が遅くなる』とか、『取得手続きの煩雑さに見合った効果がない』とか、かなり批判的な意見も多かったと思います。
この国際標準規格を取得すること自体の損得は別にして、また取得という結果が遠い先の目標の話だとしても、各企業で実際に行っている様々な業務や作業を、ISOの考え方を参考にして標準化することは、明らかな業績改善を生むと思います。
私自身、業務の手順が厳密に定められた企業で社会人のスタートを切り、その後の転職先ではISOの取得に関わり、今また法規制に縛られた書類を作成代行する仕事を生業にしていますので、作業を標準化することで成果が上がった数多くの事例に立ち会ってきました。
振返ると、現在お取引いただいているお客様の事業所で、作業の標準化を意識して実践されているところは半数にも満たないと思います。
経済が沈滞化している今こそ業務や作業の標準化による採算性向上を提案し、お取引先様の成長を支援したいと思っています。
つい最近送られてきたあるDMの中の【問題意識を持って仕事をしよう】というフレーズが目に留まりました。というのは、その直前に参加した研修会で受講前に出された
[仕事上の関心事(何とかしなければならないこと、気になっていること、おかしいと感じていること)をいくつでも構いませんので、列記してきてください]
という事前課題に取り組んだところ、次から次へと私の関心事が湧き出てきたからです。
何とかしなければならないと思っていることが、こんなにあるのか…
気になっていることもこんなにあるのか…
『おかしい』と感じていることもこんなにたくさん…(-_-)フウ
わが事務所はこんな問題だらけの事務所なのかと珍しく落ち込んでいたのです。
しかし、先のDMには、次のような言葉が添えられていました。
【目標が高くないと問題意識は生まれない】
確かに『現状維持をヨシとしない』というスタンスは開業以来継続しています。
常に目標を持ち、より多くのお客様へより良いサービスの提供を目標にしてきました。
『だから問題が山のように出てくるんだ』と一人で勝手に納得して一安心 (^_^)v
『目標を高くするから、問題が出くるし、やらなければならないことが見えてくる』
問題が多いことは、大変なことなのですが、これからも敢えて目標を高く掲げ、問題意識を維持し続けたいと思っています。